交通事故で労災保険を利用するメリットと注意点について

仕事中や通勤途中の交通事故については「業務中に起きた災害」ということから労災保険が適用になります。

労災保険の補償は手厚いことで知られていますが、自賠責保険との兼ね合いがあるため、利用する際には幾つか注意することがあるのも事実です。

そこで今回は、労災保険の具体的なメリットや利用する際の注意点について解説します。

労災保険の仕組み

労災保険は厚生労働省が管轄する保険制度で、就業中の労働者の保護と救済を目的としています。交通事故においては通勤途中や業務中に巻き込まれた場合が補償対象となり、様々な保険給付が行われ、労働者の社会復帰を助けています。

事業所は労災保険に加入していなければならず、保険料も事業所が支払いますから、労働者はその雇用形態を問わず被保険者となります。正社員はもちろん、アルバイトやパート、期間雇用者等、就業する全ての人が交通事故で負った損害に対する補償を受けられる点は大きな特徴だと言えるでしょう。

労災保険を利用する具体的メリット

労災保険の補償は非常に充実しており、以下のようなメリットを得ることができます。

治療費が支給される

交通事故では過失割合に基づいて治療費負担額が決まるため、仮に相手方と過失割合で争いがある場合は、合意に至るまで治療費を含む賠償金が確定できません。

しかし、労災保険を利用した場合は過失割合の影響を受けず、療養費として全額支給されることになりますので、相手方が無保険だった場合や自分の過失割合が大きい場合等でも、安心して治療を受けることができるのです。

各種給付金が支給される

事故による負傷のために仕事を休まざるを得なくなった場合は、4日未満であれば一定の基準のもと事業所が休業給付を行うことになっていますが、4日目以降については労災保険から給付基礎日額の約8割が支給されます。

他にも、障害補償給付や遺族補償給付等、各種の保険給付が整備されているため、事故後の生活における経済的不安が最大限取り除かれることになるでしょう。

後遺障害認定の申請ができる

一般的に、後遺障害認定の申請は事故の相手方の自賠責保険に対して行いますが、労災保険でも別途申請を受け付けているため、必要書類を提出して等級認定を受けることが可能です。

なお、労災保険と自賠責保険の両方に対して後遺障害等級申請を行うことができますが、支給項目が重複するものについては、「保険の二重取り」にならないよう金額調整を受けることになるので、予め詳細を確認しておくようにしましょう。

自賠責保険と労災保険は併用できるが金額調整を受ける

先に自賠責保険を利用した場合は、同じ項目に対する労災保険給付が金額調整を受けることを覚えておく必要があります。

自賠責保険が負傷者への最低限の損害賠償を行う保険であるのに対し、労災保険は労働者を救済するための保険です。2つの保険はそれぞれ目的も管轄も異なっていますが、保険金はいずれも国から支払われるため、両方の保険から満額の支給を受けた場合は二重補償となってしまうことを忘れてはいけません。このような状態を避けるため、どちらの保険を先に利用した方が良いか、それぞれの特徴をよく理解した上で最も良い活用法を選択することが大切なのです。

交通事故と保険に関する問題は当事務所まで相談ください

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