後遺障害7級とは?上肢・下肢の高度機能障害の認定基準と慰謝料・異議申立てを解説
交通事故で腕や脚の機能がほとんど使えない状態に近づいた場合、後遺障害7級が検討されます。
7級は8級より重く、生活や就労への影響が大きい等級です。
本記事では、認定基準の考え方、検査と診断書、慰謝料と逸失利益、異議申立ての要点を解説します。
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後遺障害7級が想定される代表的な状態
7級は、片側の上肢または下肢に高度の機能障害が残るケースが典型です。
単なる痛みではなく、可動域や筋力、神経機能の著しい低下が前提です。
- 片腕または片脚の主要関節がほとんど動かない、または強直に近い
- 重度の靱帯損傷や骨癒合不良により常時支具が必要
- 広範な神経麻痺で巧緻動作がほぼ不能、筋萎縮が明瞭
- 広い範囲の欠損や変形で、日常動作の自立が困難
7級は医学的な客観資料が鍵です。画像・可動域・筋力など複数の所見で裏付けます。
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8級・6級との違い(重症度の目安)
等級は連続的に変化します。7級は8級より重く、6級ほどは至らない層です。
下表は重症度の目安を整理したものです。
| 等級 | 重症度の目安 | 代表的な状態 | 労働能力喪失率目安 |
|---|---|---|---|
| 6級 | 上肢・下肢の著明な機能喪失 | 複数関節の用廃に近い状態 | 67% |
| 7級 | 片側の上肢または下肢に高度障害 | 強直に近い可動域、巧緻動作ほぼ不能 | 56% |
| 8級 | 片側に重度の可動域制限 | 可動域が4分の1以下、強直を含む | 45% |
審査では、関節角度だけでなく、筋力、神経、装具の必要性、生活自立度も評価されます。
認定のために重要な検査と測定
7級は「定量データの積み上げ」が不可欠です。推奨検査は以下の通りです。
検査結果は診断書に具体的数値で記載してもらいます。
- 可動域:ゴニオメーターで角度測定(左右比較、繰り返し測定)
- 筋力:徒手筋力テスト(MMT)と周径差で筋萎縮を確認
- 神経:腱反射、知覚検査、筋電図、神経伝導検査
- 画像:X線・CT・MRIで構造的損傷と因果関係を確認
疼痛閾値や長時間負荷での増悪など、機能持続性の評価も有効です。
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診断書に盛り込むべき項目
診断書の記載は結果を大きく左右します。以下を漏れなく記載します。
- 受傷部位、損傷内容、治療経過、手術内容
- 可動域角度(方向別・左右比較・単位を明確に)
- 筋力(MMT)、周径差、装具の要否、介助の要否
- 症状固定時期、予後、改善見込みの有無
- 日常生活・就労の具体的支障(動作名と頻度)
自覚症状だけでは不十分です。客観データと結びつけて記載してもらいましょう。
後遺障害7級の慰謝料・逸失利益の目安
後遺障害7級の慰謝料・賠償金の目安は次の通りです。
| 基準 | 慰謝料額(目安) |
|---|---|
| 自賠責基準 | 約409万円 |
| 任意保険基準 | 約500〜700万円 |
| 弁護士基準 | 約1000万円前後 |
労働能力喪失率は56%が目安です。体を使う職種では逸失利益が高額になり得ます。
※関連記事:逸失利益の計算方法
非該当・下位等級を避けるための実務ポイント
7級は「少しでも動くなら下位等級」と判断されやすい領域です。
次の点に注意して立証を強化します。
- 同一条件での反復測定とブレ幅の最小化
- 装具使用の必要性と着用時間の記録
- 長時間作業での機能低下の再現テスト
- 動画・写真で日常動作の困難を可視化
職場での配置転換や欠勤記録なども、就労影響の証拠になります。
異議申立てのポイント(8級・9級からの見直し)
初回で8級や9級とされた場合でも、追加資料で7級に上がることがあります。
異議申立てで効果的な資料は次の通りです。
- 再測定データ(角度・MMT・周径差)の比較表
- 画像所見の追加、術後所見、装具指示の明文化
- 日常動作の動画、リハ記録、介助記録
- 医師の意見書(改善見込み薄い旨、因果関係の明示)
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就労影響を具体化する書き方
「つらい」「難しい」では伝わりません。数値と事実で示します。
- 持ち上げ可能重量、保持時間、反復回数の限界
- 立位・歩行継続時間、段差昇降の回数と休止時間
- 欠勤・早退の回数、配置転換の記録、評価の変化
これらは逸失利益の根拠としても有効です。
弁護士に依頼するメリット
7級は境界判断が難しく、資料の不備で下位等級になることがあります。
弁護士は、医証の不足を特定し、検査・記載の依頼文を整え、交渉を一貫して支援します。
- 検査・診断書のチェックと追補計画の作成
- 損害算定(弁護士基準)と交渉方針の立案
- 異議申立て・訴訟への移行判断と書面作成
- 併合・相当・加重が絡む場合の補正計算
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まとめ

後遺障害7級は、片側の上肢または下肢に高度の機能障害が残る等級です。
関節角度、筋力、神経、装具、生活自立度の多面的なデータで立証することが重要です。
大栄橋法律事務所は、検査・診断書の整備から異議申立て、賠償交渉まで一貫して支援します。







