後遺障害5級とは?上肢・下肢のほぼ用廃や高度運動障害の認定基準と慰謝料を弁護士が解説
交通事故によって片腕や片脚がほとんど使えなくなった場合、後遺障害5級に該当する可能性があります。
5級は、手足の主要な関節や筋肉がほぼ機能しない状態で、生活・労働に深刻な影響を与える重度の等級です。
この記事では、5級の認定基準、該当する症状、慰謝料と逸失利益の目安、異議申立ての流れを弁護士が詳しく解説します。
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後遺障害5級が認定される代表的な症状
5級は、「片側の上肢または下肢がほぼ用廃状態」と判断される場合に該当します。
つまり、筋肉や神経の損傷が重く、日常生活で自立が難しいレベルの障害です。
- 片腕または片脚の関節が完全に強直し、ほぼ動かない
- 神経損傷や麻痺により自力で動かせない
- 重度の変形や欠損で補装具・義肢が必要
- 握力・立位保持・歩行動作が不能または困難
- 手作業・移動など日常生活の動作が介助なしで行えない
5級は「可動域の数値」だけでなく、生活機能の喪失度も判断材料になります。
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可動域・機能障害による認定基準
5級の判断では、主要関節の可動域が「全く動かない」か「ごくわずかにしか動かない」状態が前提です。
以下の基準をもとに医師が計測し、診断書に数値を記載します。
| 部位 | 正常可動域 | 5級認定目安 |
|---|---|---|
| 肩関節 | 180° | 10°以下、または強直 |
| 肘関節 | 145° | 10°以下、または強直 |
| 膝関節 | 135° | 10°以下、または強直 |
| 股関節 | 125° | 10°以下、または強直 |
完全な強直(関節が固まって全く動かない状態)や神経麻痺による機能喪失は、5級に該当する代表的な例です。
6級・4級との違い
5級は6級よりも重く、生活や就労への支障がより大きい等級です。違いを比較します。
| 等級 | 障害の範囲 | 代表例 | 労働能力喪失率 |
|---|---|---|---|
| 4級 | 両上肢・両下肢に重度障害 | 両腕または両脚の用廃 | 89% |
| 5級 | 一側上肢または下肢の用廃 | 片腕・片脚の関節強直、運動不能 | 79% |
| 6級 | 複数部位の著しい可動域制限 | 両膝拘縮・片腕強直など | 67% |
5級は「片側完全用廃」が特徴で、上位の4級は「両側障害」が中心です。
認定時に重視される医学的資料
後遺障害5級は、客観的な医学資料が不可欠です。主な検査項目は以下の通りです。
- 関節可動域測定(ゴニオメーターによる角度計測)
- 神経伝導速度検査、筋電図(麻痺の有無を確認)
- MRI・CT・X線画像(構造的損傷を立証)
- 筋力・周径差測定(MMT 0〜1レベルが基準)
- 補装具・義肢の使用記録
これらの検査データが診断書に明確に記載されていないと、下位等級に認定される可能性があります。
後遺障害5級の慰謝料と逸失利益の目安
後遺障害5級に認定された場合の慰謝料・賠償金の目安は以下の通りです。
| 基準 | 慰謝料額(目安) |
|---|---|
| 自賠責基準 | 約618万円 |
| 任意保険基準 | 約800〜1000万円 |
| 弁護士基準 | 約1400万円前後 |
労働能力喪失率は79%が目安で、逸失利益は生涯収入に大きく影響します。
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異議申立てと再認定のコツ
初回で6級や7級と判断されても、追加資料の提出で5級が認められることがあります。
異議申立て時には、次の点を重点的に見直します。
- 可動域再測定(完全強直・筋萎縮の程度を再確認)
- 神経機能検査の追加(筋電図・反射テスト)
- 装具使用・介助の必要性を示す写真や動画
- 医師の意見書(回復見込みなし・因果関係明示)
弁護士が介入すれば、資料整理や意見書作成の依頼もスムーズに行えます。
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弁護士に依頼するメリット
5級は、診断書の記載ミスや検査資料の不足で6級に下がることが少なくありません。
弁護士に依頼すれば、資料の整備から示談交渉、訴訟対応まで一貫してサポートを受けられます。
- 医証のチェックと修正依頼サポート
- 異議申立て書・意見書の作成支援
- 逸失利益・慰謝料の弁護士基準算定
- 示談・訴訟交渉の全面代理
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まとめ

後遺障害5級は、片側の上肢または下肢がほぼ用廃状態となる重大な後遺症です。
正確な検査データと医師の意見書を整えることが、適切な等級認定と損害賠償の鍵です。
大栄橋法律事務所では、6級・7級からの異議申立てを含め、医学的証拠の精査と賠償交渉を一貫して支援しています。







