後遺障害4級とは?両上肢・両下肢の重度障害や複合障害の認定基準と慰謝料を弁護士が解説
交通事故で両腕や両脚など複数の部位に重度の障害が残った場合、後遺障害4級が該当する可能性があります。
4級は、日常生活に介助を要するほどの重い障害であり、社会的・職業的活動にも著しい制限を及ぼします。
この記事では、4級の認定基準、症状例、慰謝料と逸失利益の目安、異議申立ての実務までを弁護士が詳しく解説します。
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後遺障害4級に該当する主な状態
4級は、上肢・下肢いずれかの両側に重い障害が残った場合、または複数の主要関節に機能喪失がある場合に認定されます。
- 両腕または両脚が関節強直で動かない、または著しく可動域が制限
- 両下肢に麻痺が残り、歩行補助具なしでは移動困難
- 両上肢の巧緻動作(握る・持つ)がほぼ不能
- 四肢の複合損傷による運動・感覚機能の高度障害
- 両手指の多数欠損や変形で日常生活が困難
4級は、単一部位ではなく「左右対称の障害」または「複合障害」である点が特徴です。
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可動域と機能障害による認定基準
可動域制限に基づく4級の目安は、両側主要関節の可動域が「10分の1以下」、または用廃に近い状態です。
| 部位 | 正常可動域 | 4級認定の目安(両側) |
|---|---|---|
| 肩関節 | 180° | 両肩が20°以下 |
| 肘関節 | 145° | 両肘が15°以下 |
| 膝関節 | 135° | 両膝が15°以下 |
| 股関節 | 125° | 両股が15°以下 |
また、関節強直や両側神経麻痺による運動不能も4級の判断対象になります。
5級・3級との違い
4級は、5級(片側用廃)よりも重く、3級(より広範な四肢障害)に次ぐ重度の等級です。
違いを下表に整理します。
| 等級 | 障害範囲 | 代表例 | 労働能力喪失率 |
|---|---|---|---|
| 3級 | 両上肢・両下肢の用廃または高度障害 | 四肢麻痺・車椅子生活 | 92% |
| 4級 | 両上肢・両下肢の重度障害 | 両腕または両脚が用廃に近い | 89% |
| 5級 | 片側上肢または下肢の用廃 | 片腕・片脚の完全強直 | 79% |
4級は、「生活の大部分に介助を要する状態」であり、社会復帰が著しく困難なレベルです。
認定時に必要な資料と検査
4級では、単なる関節角度だけでなく、複数部位の機能的・構造的障害を証明する医学資料が必要です。
- 関節可動域測定(左右・上下肢すべて)
- 筋電図・神経伝導検査による運動麻痺の証明
- MRI・CTで骨・関節の変形や癒合不良を確認
- リハビリ記録・歩行分析・装具指示書
- 主治医の意見書(改善見込みなしの明記)
これらの資料を整えないと、5級または6級に下がる可能性があります。
慰謝料と逸失利益の目安
後遺障害4級が認定された場合の慰謝料・賠償金の目安は次の通りです。
| 基準 | 慰謝料額(目安) |
|---|---|
| 自賠責基準 | 約737万円 |
| 任意保険基準 | 約900〜1200万円 |
| 弁護士基準 | 約1670万円前後 |
労働能力喪失率は89%が目安で、生涯収入に大きく影響します。
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異議申立てと再認定の対応
初回で5級と判断されても、医学的資料を追加することで4級が認められるケースがあります。
異議申立てでは、次の資料を提出することが有効です。
- 両側可動域測定値(3回平均)
- 神経機能検査の再実施と専門医の意見書
- 歩行・日常動作の動画や介助記録
- 症状固定後のリハビリ経過資料
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弁護士に依頼するメリット
4級は、複数部位の障害を正確に整理しなければ認定が下がるリスクがある等級です。
弁護士は、医師との連携や資料の統一整理を行い、適正な等級獲得を支援します。
- 複数部位の診断書・検査結果の統合整理
- 等級認定に必要な意見書の作成補助
- 慰謝料・逸失利益の弁護士基準交渉
- 併合・相当・加重の補正計算
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まとめ

後遺障害4級は、両上肢・両下肢などに重い障害が残る重大な等級です。
複数の関節や神経障害を組み合わせて評価するため、専門的な資料整備と医療・法的知識の両立が必要です。
大栄橋法律事務所では、医学的検証から異議申立て、損害賠償交渉までを一貫してサポートしています。







